さきおりCHICKA
主宰・三好千佳さん
伝統的に伝わる「南部裂織」
の技法を現代風にアレンジ
国内外に「裂織文化」を発信
今に伝わる日本古来の伝統工芸「南部裂織」―着物などの古布を裂いて織り、新しい布として生まれ変わらせる技法を用いて、現代風にアレンジしたモダンな小物やバッグなどを製作・販売、自身のブランド名をエラー! ハイパーリンクの参照に誤りがあります。冠した「さきおりCHICKA」を主宰している。織り機に縦糸(木綿糸)を通し、裂いた古布を緯糸にして巧みに操り織り込んでいく。ペンケース、ポーチ、カメラストラップなど出来上がった作品は温かみを感じさせるカラフルな色使いと美しい模様が見る人を魅了する。「素材の使われ方や布のどの部分を使うかによって模様の出方は変化します。出来上がった作品は何一つ同じものはありません。世界に一つだけというところがたまらない魅力です」と話す。
「南部裂織」との出会いは15年前。「旅行会社時代に添乗で行った先々でいろんな伝統工芸に出合い、魅せられた。直接的には夫の転勤で十和田市に住むようになったこと。裂織が盛んな土地で教室に通うようになりました」。裂織の技術を習得しながら、本来の伝統的な部分に加えて自身のオリジナリティーを追求する作風に磨きをかけ、自らのブランドを立ち上げた。「南部裂織を、ポップにアップデートさせ、カラフルで独創的な作品に仕上げています」。
自宅での作業が主だったが、3年前に県観光物産館2階内にアトリエを構えるようになった。「市民はもとより観光客相手に裂織の制作過程を公開、予約制で織り体験にも応じています。アトリエでは不定期でワークショップを開催するなど裂織文化の発信も行っています」。パリで開催の国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に2年連続参加したほか、東京谷中で開催中(~3月31日)の手仕事を集めた企画展に参加するなど活動の領域を広げている。「この間、Eテレ『すてきにハンドメイド』に出演しました。フォロワー数が飛躍的に伸びるなど反響は大きかったですね」。
県伝統工芸士として「裂織」の宣伝・普及に力を注ぐ三好さんが作品づくりで最も大切にしているのは色へのこだわりであり、そのモチーフは地元青森にあると言う。「青森ねぶたに使われる多色の色使い、四方を囲む海の色、新緑、紅葉といった四季の彩りを作品に取り入れるようにしています」。
そして、何よりの楽しみは老舗呉服店での布選び。「布選びは裂きやすさが大切。凹凸のある布や刺しゅうが入っていると裂きにくい。織っている時以上に布選びをしている時が一番楽しい。古着には着ていた人の歴史があります。そんな人生に思いを馳せると、作品づくりに愛着がわいてきます」と、優しく微笑んだ。
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