不動産業を通して地域を元気にする。「安心R住宅」事業登録第一号

青森市の国道280号沿いにある青森銀行油川支店から北に約100ｍの所に店舗を構え、油川地域を中心に市北西部が営業エリア。賃貸と売買の仲介及びアパート・貸家の管理業のほか、今春から買い取った中古住宅をリフォームして販売する「安心R住宅」(耐震や瑕疵保険等の検査基準に適合した住宅)事業にも乗り出した。「良質な中古住宅を安心して購入してもらう国の制度が始まり、早速、事業登録しました。県内業者では登録第一号と聞いています」。

「宅地建物取引士」、「賃貸不動産経営管理士」、「既存住宅アドバイザー」の資格を持つ。大学を卒業して県外に出てさまざまな職種に従事した後、Uターン。社会人向けの学習塾で宅建資格等を取得する講座を教えたのが縁で自らも資格を取得、この業界に身を投じた。「創業して来年で20年。苦しい時期が続いたが、ようやく経営が安定してきた」と振り返る。

「青森県居住支援協議会空き家相談員」でもある。「この地域でも空き家が増加し、所有者が空き家の管理や活用について問題を抱えています。高齢化社会が進むと、自宅を所有する高齢者の事情により空き家が発生します」と指摘。早くから空き家利・活用を進める取り組みに意を注いできた。「空き家の増加は地域の活力の低下につながる。空き家問題解決のために尽力したい」と力を込めた。

「元気町あぶらかわ商店会会長」を務め、地域に愛される商店会を目指し、日々奔走している。油川と言えば、案山子の展示を行っている「かかしロード２８０」(９月)が有名だが、それだけではないと話す。「商店会や地元有志らでつくる実行委員会が企画・運営している『油川ジャズフェステバル』(８月)はジャズ愛好家や市民ら約400人が集まるビッグイベントに成長。今年も開催します。お楽しみに。地元で取れるトマトやイワシなどを使ったオリジナルメニュー『ジャズ飯』が販売されるのも人気です」。

葛西さんは生まれ育った「油川」にこだわり、地域密着の営業方針のもと地域活動にも積極的に参加してきた。「その姿勢は今後も変わることはありません。油川は青森発祥の地と言われ、観光名所や史跡が数多くある。いろんな機会をとらえ、油川の良さを発信していきたい」。地域を元気にする―葛西さんの頭の中はそのためのアイデアでいっぱいのようだ。