炭火焼やまぜん
店主・舘山大樹さん
店名の「炭火焼」にこだわり
県産の果実や野菜がたっぷり
酢と組み合わせたタレも好評
コンロで焼かれた肉の脂が、赤くおこった炭火に滴り落ちる。ポッと、小さな炎が上がり、白煙が立ち上る。金網に広げた焼き肉は煙に包まれ、香ばしい匂いをまとう。目と耳からも味わう、炭火焼きならでは醍醐味だ。
店名にもなっている「炭火焼」にこだわる理由について舘山さんは「炭火は温度が高いので肉がおいしく焼ける」さらに「燻煙効果も期待できるから」と説明した。
店は2005年、同じ場所で30年間焼き肉店を営んできた母親から引き継いだ。舘山さんはそれまで東京の和食中心の店の店長などをしていた。「せっかく母親が続けてきた店なので」と継承を決意。「気軽に焼き肉を楽しんでもらえるような現代風な店にしたかった」という。
一番人気は「3倍ステーキハラミ(牛)300g」(1,800円)。「厚切り牛タン焼」(1,300円)や「牛ミノ焼き」(780円)、「つがる豚肩ロース」(500円)、「活はまぐり焼」(600円)もよく出る。「家庭ではなかなか食べられないから」(舘山さん)と、メニューに加えた「函館産エゾシカBBQ」(800円)「北陸産マガモ」(900円)を試す人も多い。
「つがる豚」の骨付き肉を使用したハーブ仕込みの「がぶりingスペアリブ」(500g1,000円、2~3本500円)は、「にっぽんの宝物 JAPANグランプリ2023-2024」ローカルフード・肉調理/加工部門で、ベストバーベキュー食材賞に輝いた。
店内で提供している、こだわりの焼き肉のたれは土産用にも販売している。リンゴやスチューベン、ニンニクなど県産の果実と野菜をたっぷりと使い、「罪悪感なしで焼き肉を楽しめるから」(舘山さん)と、酢と組み合わせた「やまぜんの焼肉のたれシリーズ」全5種(各480円)が好評だ。
また、テイクアウトの炭火焼き鳥(1本120円)にもファンが多い。夕方になると、帰宅途中に立ち寄って注文し、焼き上がりを店頭で待つ客の姿もよく見かける。
店内の座席数は、テーブル席や小上がりを含めて40席ある。肉を盛った皿などを各テーブルに運ぶ配膳ロボット「ぜんのすけ」も活躍している。ぜんのすけが客席に向かうと「子供たちが大喜び」と舘山さんも思わず笑顔。もくもくと働く頼りになる゛同僚゛だ。
客層は、サラリーマンのグループ客や家族連れが多い。舘山さんは「気軽に焼き肉を楽しんでもらう店を目指すという、母親から引き継いだ時の決意を忘れない。食材にこだわり、お客さんが納得できるようなものを提供していきたい」と、さらなる飛躍に意欲を見せた。
問い合わせ先
- 住所:
- 青森市大野前田76-21
- TEL:
- 017-729-8629