(株)昭栄
代表取締役 松山 栄一さん
「液体ガラス」技術を使った防水工法を採用。県内主要施設で施工
代々の農家に見切りをつけ、昭和58年に「昭栄工業」(五所川原市)を設立。青函トンネル内の止水工事から始まり橋梁改修、防水工事などなど営業品目を広げ、実績に培われたプロとしての技術と信頼を「売り」に業績を伸ばしてきた。5年前に青森市への足掛かりとなる出先を浪館前田に開業。今春、「昭栄工業」のかじ取りを長男に任せ、自身は「昭栄」に専念している。
アスファルト防水から塗り床やコンクリート構造物の補修まで幅広く、主な工事では八甲田大橋の橋梁、青森公立大学校舎屋根の改修などを手掛ける。特に力を入れるのが「防水工事」だと言う。「建築物を水から防ぐ。当初は頑強であった防水処理も年月の経過とともに劣化します。防水工事は人々の暮らしを守る重要な仕事」と、防水工事に携わる矜持を口にした。専用シートを使った防水、塗料による防水など防水工法や使用はさまざまで建築の形状や用途に合わせて施工。「一滴も水を浸入させません。防水のことは任せて」と力を込める。
防水技術の分野で注目されているのが「液体ガラス工法」。木は反り、曲がり、割れなどが生じる。木材に液体ガラスを含浸させることで、木材の寿命を延ばそうという工法。1年前に液体ガラス工法で実績のある株式会社「ニッコー」(東京)と代理店契約を結んだ。「木のぬくもり、風合いをそのままに超撥水性、防汚性、高耐久性を追求した工法に着目した」。同工法を取り入れ直近では、弘前市民中央広場の木ステージ、ベンチ等の塗装工事を請け負った。「同工法のPRに努め、同工法の普及が日本の森林再生にもつながることを期待している」。
商工会議所の「会員企業情報交換会」にも積極的に顔を出し、人脈づくりや情報交換に余念がない。販路拡大を目指し、県内各自治体の担当者を訪ね歩くこともしばしば。「人との出会いは事業を展開する上で勉強になる」。
社会奉仕などを目的とするロータリークラブ一員として大学の出前講座講師を務め、学生相手に講話することも。「自らの体験談を話し、学生から多くの感想文が寄せられました。学生との交流は自身にとっても大いに刺激を受けています」。齢70歳を超えてなお、意気軒高。仕事への意欲は衰え知らず―だ。
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- 住所:
- 青森市浪館前田4丁目1-12
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